彫刻刀の研ぎ

アート

刃物を扱う人なら誰もが刃の欠けを経験したことがあると思います。
私も日々、彫刻刀の先端が欠けたり数日研がないだけで刃こぼれしてしまったりします。


刃こぼれ、切れ味の劣化なんかは包丁でもよく感じる事だと思います。
なので今回は

[道具の手入れ]について
私の知る方法をまとめていきます。

道具の手入れは自分でできるのがベストですが、
自分でできない、道具がない
という方は私までご連絡ください。
受注いたします。


先日YouTubeにアップしましたので、
こちらも参考にどうぞ。

お手入れ道具

道具の手入れをするにも、手入れをする為の道具が必要です。
刃物を研ぐには砥石。砥石を手入れするには。。。と言う感じです。


この砥石ですが、種類があります。
粒度(目の粗さ)によるもの
素材によるもの
サイズに形
簡略化した研ぎ器
など。

私が使う砥石は

キングデラックス#1200(中砥)
キング#6000(仕上げ砥)の2つです。

刃の形を大きく修正する場合は
ダイヤモンド砥石(両面)の#400と#1000を使います。
※滅多に使いませんが。

家庭用の包丁(ステンレス製、鉄製両方)を研ぐ場合は
キングデラックスの#1200で十分です。

研ぎ前の準備

砥石はそのままでは使えません。

今は便利な道具が揃っていて、簡易的な研ぎ器なんかは準備不要で研げますが、
砥石で研ぐ場合はそうはいきません。

砥石は使っているうちにすり減っていきます。
研ぐときは砥石を平らにする必要があります。

手順は以下の通りです。

1:砥石全体が水に浸るようにバケツなどに水を張ります。
2:砥石を水に浸け、気泡が出なくなるまで待ちます。
だいたい15分から20分ほどで気泡が出なくなります。
刃を研ぐ時もしっかり吸水させてから研ぎます。

3:水から取り出し、滑ったり揺れたりしない水平な台の上に砥石を置きます。
4:砥石を平らになるように研ぎます。
本来ならガラス板を用意し、耐水ペーパーやポリネットシートで研ぐのですが、
簡易的にダイヤモンド砥石を使い研いでいきます。

5:砥石が平らになれば完了です。
これで準備完了です。

研ぎ

彫刻刀には表と裏があります。
わかりやすいので覚えておきましょう。

1:裏刃を研いで平らにします。
裏はさほど研ぎません。3〜5往復もすれば十分平になります。
2:表刃を研いでいきます。
しっかりと右手で刀身をもち、左手の中指で刃を砥石に押し付けます。
刀の峰から刃先まで、しっかりと砥石に当てるように注意します。
動かし方は、腕を動かし手首は固定します。
ある程度研いだら、少しずつ砥石に当たる部分をずらしていき全体を研ぎます。

3:仕上げ。
形が整い、しっかりと研げていると研いだ反対側(裏刃)にカエリ(薄く柔らかい鉄)が出てきます。
このカエリが出たら仕上げ砥に切り替えます。


仕上げ砥で同じ工程を行い、刃に艶が出てカエリが取れたら研ぎ終わりです。

以上が、私が彫刻刀を研ぐ時の工程となります。
あくまで、私の工程です。
研ぎに正確な決まりはないので、うまく研げるように
自分の手の動きに合うように持ち方や動かし方を工夫してみてください。

まとめ

今回は彫刻刀の小刀の研ぎ方についてまとめました。
一番よく使う刀なので、それだけ頻繁に研ぐことになるからです。


研ぎでも言いましたが、
あくまで、私の工程です。
研ぎに正確な決まりはないので、うまく研げるように
自分の手の動きに合うように持ち方など工夫してみてください。

私が研いでいるものですが、YouTubeにアップしているので参考にしてみてください。


私に研ぎを教えてくださった方も仰っていましたが、
要は綺麗に彫れるように刀を研げば良いんです。

木彫りや彫刻刀、伝統工芸などに興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
彫る、研ぐ、彫刻刀を集める。
楽しみ方は無限大です。

ちなみに、研ぐと砥ぐ
2種類の文字があります。
砥石は砥で良いみたいですが、
刃物を研ぐ場合は研みたいです。

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